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公開日:2020-07-30

皆さんは仮想マシンって聞いたことはないでしょうか?仮想と聞いて真っ先に思いつくのはVRやARなどでしょうか。本記事では、聞いたことはあるけど具体的に何なのかよくわからない方のために簡単にですが、仮想マシンについてご紹介します。

仮想マシンとは

仮想マシンは仮想化という技術を使って環境にとらわれることなく、ハードウェアに含まれるCPU、メモリなどのリソースを論理的に分割・統合する技術のことをいいます。もう少しかみ砕くと、仮想化の技術を用いてコンピューターを動作させ、1つのサーバを複数のサーバがあるように分割し動作させる技術のことをいいます。実際のサーバが1つであっても、複数サーバを稼働することが可能です。

仮想マシンの歴史

近年耳にする機会が増えた「仮想化」という技術ですが、実はその歴史は意外にも昔から存在していたことを知っている方は多くないでしょう。 なんと、1960年代にはすでに「仮想マシン(バーチャルマシン、Virtual Machine、VM)」という言葉が使われ始めていました。ユーザー個別のオペレーティングシステムを動かせるように発展させることで、今でいう仮想化が生まれました。1967年にIBM System/360モデル67で実装されたCP-67/CMSが商用ベースでは、初めてのモノとされています。また、その時始めて、Virtual Machine(VM)という言葉が使われました。このようにして、仮想化が誕生したのです。 仮想マシンは新しい技術という印象がありますが、実際には昔から必要とされた技術なのです。

仮想マシンにできること

通常の稼働では余ってしまうCPUやメモリーなど、ハードウェアのリソースを有効的に活用できます。これまでの「一つのハードウェアに一つのアプリケーション」というスタイルでは、リソースに余剰が出て、ハードウェアの性能を十分に引き出すことができませんでした。 そこで、仮想マシンを作り出すことでリソースを分割しハードウェアの性能を最大限に引き出すことが可能となるのです。

仮想化の2つの手法

仮想マシン環境には、大きくわけて「ホスト型」「ハイパーバイザー型 」の2つの種類があります。

ホスト型

ホスト型とは、OSに仮想化ソフトウェアをインストールし、その上で仮想マシンを動かす方式のことです。 既存のサーバを使うことができるため、手軽に利用できるというメリットがあります。デメリットは、ハードウェアにアクセスする際OSを経由しなければいけないという点です 。

ハイパーバイザー型

ハイパーバイザー型は、ホストOSを使わず直接サーバにインストールし仮想マシン環境を作り出す方式のことです。 ハードウェアのリソースを直接管理できるというメリットがあります。 デメリットは、仮想化環境を管理するための知識や技術が必要で、場合によっては運用コストが割高になることがあります。

ホストOSとゲストOS

仮想化、仮想マシン関連の用語でよく出るのが「ホストOS」「ゲストOS」という用語です。ホストOSとは仮想マシンにおいて基盤となるOSのことで、ゲストOSとは仮想マシン環境にインストールして稼働するOSのことです。 例えば、Windows上に仮想マシン環境を用意し、Macをインストールした場合はWindowsがホストOS、MacがゲストOSとなります。

仮想マシンのメリット

なぜ、多くの企業が仮想マシンをわざわざ導入するのでしょうか。 それは「コスト削減」「サーバの用意が容易」「複数のオペレーティングシステムが使える」などのメリットがあるためですそれではそれらのメリットをご紹介します。

コスト削減

複数のハードウェアを用意する場、 当然保守点検、人件費、購入費用など運用コストがかかります。しかし、仮想マシンにしてしまえばハードウェアの台数を減らすことで、ハ上記の運用コストを最小限に抑えることができます。

サーバの用意が容易

サーバを新しく用意するためには、ハードウェアを新しく購入し、設置し、場合によっては設置場所も新しく探さないといけません。しかし仮想マシンを導入すれば、1つのハードウェアで複数を動かすことができます。そのため新しいシステムの導入時にサーバを用意する手間が省けるというメリットがあります。

複数のオペレーティングシステムが使える

開発をする際に、別のオペレーティングシステムでの確認が必要になることがありますが仮想マシンなら、例えばWindows上でLinuxを使うことができるため、わざわざ別のハードウェアを用意する必要がなく仮想化された別のオペレーティングシステムでサービスの確認をすることができます。

仮想マシンのデメリット

一見仮想マシンはとても便利な技術ですが、デメリットもあります。それは「コスト面」「セキュリティ面」です。

場合によってはコスト増

仮想マシンではコスト削減できるものもあればコストが増加するものもあります。リソースに余った資源がない場合、稼働速度が遅くなる可能性もあります。このため仮想マシン導入においてコスト削減を追求し過ぎるのは危険で、コストメリットはあくまで二次的なものと考え、その他の部分にメリットを見出すことが重要でしょう。

セキュリティ面

仮想マシンではハードウェアの障害に対する対策には一層気を配らないといけません。 一台の物理サーバ上でいくつもの仮想マシンを仮想させるので、障害が発生すると全てのシステムに影響をきたしてしまうからです。 また、同様にウイルス対策も強化する必要があります。

まとめ

「仮想化」「仮想マシン」の基礎知識と特徴についてまとめてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。 近年話題に上がることが多くなった技術ですが、きちんと理解して使えばとても便利な技術ですので、仮想マシンとは何かを理解しておきましょう。






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